○信州大学遺伝子組換え実験等安全管理規程
(平成16年7月22日信州大学規程第115号) |
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目次
第1章 総則(第1条-第8条)
第2章 安全委員会(第9条)
第3章 申請,届出及び承認(第10条-第16条)
第4章 安全確保及び拡散防止措置(第17条-第25条)
第5章 輸入,輸出及び情報の提供(第26条-第28条)
第6章 記録及び保管(第29条)
第7章 教育訓練及び健康管理(第30条-第32条)
第8章 緊急事態発生時の措置(第33条-第36条)
第9章 懲戒処分等(第37条)
第10章 雑則(第38条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この規程は,遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年法律第97号)その他関係法令(以下「法令等」という。)に基づき,信州大学(以下「本学」という。)において遺伝子組換え実験及び細胞融合実験(以下「実験」という。)を計画し,及び実施する際に遵守すべき安全確保及び拡散防止措置に関する事項を定め,もって実験の安全かつ適切な実施を推進することを目的とする。
2 実験の計画及び実施に関しては,この規程に定めるもののほか,法令等及び別に定める細則等の定めるところによる。
(定義)
第2条 この規程において,次の各号の用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
(1) 生物 一の細胞(細胞群を構成しているものを除く。)又は細胞群であって核酸を移転し,又は複製する能力を有するものとして法令等に定めるもの,ウイルス及びウイロイドをいう。
(2) 遺伝子組換え生物等 次に掲げる技術の利用により得られた核酸又はその複製物を有する生物をいう。
イ 細胞外において核酸を加工する技術であって法令等に定めるもの
ロ 異なる分類学上の科に属する生物の細胞を融合する技術であって法令等に定めるもの
(3) 使用等 食用,飼料用その他の用に供するための使用,栽培その他の育成,加工,保管,運搬及び廃棄並びにこれらに付随する行為をいう。
(4) 第1種使用等 次号に規定する措置を執らないで行う使用等をいう。
(5) 第2種使用等 施設,設備その他の構造物(以下「施設等」という。)の外の大気,水又は土壌中への遺伝子組換え生物等の拡散を防止する意図をもって行う使用等であって,そのことを明示する措置その他の法令等に定める措置を執って行うものをいう。
(6) 拡散防止措置 遺伝子組換え生物等の使用等に当たって,施設等を用いることその他必要な方法により施設等の外の大気,水又は土壌中に当該遺伝子組換え生物等が拡散することを防止するために執る措置をいう。
(7) 部局 実験を行う学部,研究科,アクア・リジェネレーション機構,先鋭領域融合研究群,社会実装研究クラスター,医学部附属病院,全学教育センター及び基盤研究支援センターをいう。
(8) 部局長 前号に掲げる部局の長をいう。
(安全確保の総括)
第3条 学長は,本学において行われる実験の安全確保及び拡散防止措置に関し総括する。
2 部局長は,当該部局において行われる実験の安全確保及び拡散防止措置に関し整理する。
(安全主任者)
第4条 本学に,実験の安全確保及び拡散防止措置について,学長及び部局長を補佐するため,安全主任者を置く。
2 安全主任者は,法令等及びこの規程を熟知するとともに,生物災害,拡散防止措置等に関する知識及び技術に習熟した者のうちから,部局長の推薦に基づき,学長が任命する。
3 安全主任者の任期は,2年とし,再任を妨げない。
(安全主任者の職務)
第5条 安全主任者は,次の各号に掲げる職務を行う。
(1) 実験が,法令等及びこの規程に従って,適正に遂行されているか否かを確認すること。
(2) 実験責任者に対し,指導助言をすること。
(3) その他必要な事項を実施すること。
2 安全主任者は,前項に規定する職務の遂行に当たり,国立大学法人信州大学遺伝子組換え実験等安全委員会(以下「安全委員会」という。)と連絡を密にしなければならない。
(実験責任者)
第6条 実験を実施しようとする場合は,実験計画ごとに,第8条に定める実験従事者のうちから,実験責任者を定めなければならない。
[第8条]
(実験責任者の職務)
第7条 実験責任者は,次の各号に掲げる職務を行う。
(1) 実験計画の立案及び実験の実施に際して,法令等及びこの規程を遵守し,安全主任者と緊密な連絡の下に,当該実験の適切な管理及び監督に当たること。
(2) 実験従事者に対し,当該実験の実施に当たって必要な教育訓練及び指導を行うこと。
(3) 実験の実施に際し,実験計画及びその変更について,承認申請を行うこと。
(4) 実験の終了又は中止の報告を行うこと。
(5) その他必要な事項を実施すること。
(実験従事者)
第8条 実験従事者は,実験の計画及び実施に当たっては,実験の安全確保及び拡散防止措置の重要性に対する認識と自覚の下に,実験責任者の指示に従うとともに,法令等及びこの規程を遵守し,安全の確保に努めなければならない。
2 実験従事者は,あらかじめ拡散防止措置及びその実験形態に応じた実験法並びに実験に特有な操作方法及び関連する技術に精通し,習熟していなければならない。
第2章 安全委員会
(安全委員会)
第9条 実験の安全管理及び拡散防止措置に関する審議及び調査は,安全委員会において行う。
第3章 申請,届出及び承認
(第1種使用の申請)
第10条 法令等に定める第1種使用を実施しようとする実験責任者は,遺伝子組換え生物等ごとに法令等に定めるところによる評価を行い,第1種使用規程を作成し,関係書類を添付し,部局長を経由して学長に申請しなければならない。
2 学長は,前項の規定により申請された第1種使用規程について,安全委員会の議を経て,文部科学大臣の承認を申請するものとする。
(第1種使用規程の変更の届出)
第11条 実験責任者は,前条の規定に基づき文部科学大臣の承認を受けた第1種使用規程に定める事項に変更を生じた場合は,法令等に定めるところにより,その理由を付して部局長を経由して学長に届出なければならない。
2 学長は,前項の規定により届出のあった第1種使用規程の変更について,文部科学大臣へ届け出るものとする。
(第2種使用の申請)
第12条 実験責任者は,法令等に定める第2種使用実験を実施しようとする場合は,あらかじめ,所定の実施計画書を部局長を経由して学長に申請し,その承認を受けなければならない。実験計画を変更する場合についても別に定める軽微な変更を除き同様とする。
(審査及び決定)
第13条 学長は,前条の規定により申請された実験計画について,安全委員会の審査を経て,承認又は不承認の決定をする。
2 前項の規定により承認の決定を行う場合に,当該実験計画が,法令等において,文部科学大臣の確認を必要とするものについては,あらかじめ,文部科学大臣の確認を受けるものとする。
(審査基準)
第14条 第10条第2項及び前条第1項に規定する安全委員会の審査は,次の各号に定める基準により行うものとする。
[第10条第2項]
(1) 実験責任者の選定の適否
(2) 実験従事者の熟練及び健康状態
(3) 施設等の法令等に対する適合性
(4) 実験試料の選定及び取扱いの法令等に対する適合性
(5) 実験計画の目的及び内容の法令等及びこの規程に対する適合性
(6) その他実験に関し必要があると認める事項
(通知)
第15条 学長は,第10条第2項の文部科学大臣への申請により承認を受けたとき又は第13条第1項の決定を行ったときは,速やかに,実験責任者の所属する部局長を経由して,当該実験責任者に通知する。
(実験の終了又は中止)
第16条 実験責任者は,実験を終了し,又は中止したときは,別に定める報告書により,部局長を経由して学長に届け出なければならない。
2 学長は,前項の届出を受けたときは,安全委員会へ報告するものとする。
第4章 安全確保及び拡散防止措置
(安全確保及び拡散防止措置)
第17条 実験は,その安全を確保及び拡散を防止するため,法令等に定める実験の区分に応じ拡散防止措置を計画し,実施しなければならない。
(施設等の法令等に対する適合性及び管理保全)
第18条 施設等は,法令等に定める事項に適合していなければならない。
2 実験責任者は,前項に規定する施設等について,安全主任者の指導助言の下に,常時点検を行い,法令等に定める基準に適合するよう管理及び保全をしなければならない。
3 施設等を設置,変更又は廃止した場合は,別に定めるところにより部局長を通じて学長へ届け出なければならない。
4 学長は,前項の規定による届出があった施設等について,安全委員会による実地調査及び審議を経て,設置,変更又は廃止を承認するものとする。
(施設における掲示)
第19条 実験責任者は,施設の入口に,法令等に定める表示並びに実験に伴う災害の防止及び拡散防止措置に関し必要な注意事項を掲示しておかなければならない。
(施設への立入制限)
第20条 実験責任者は,拡散防止措置として,施設への立入制限を行わなければならない。
2 前項の規定により立入りを制限されている者が,施設に立ち入る場合には,あらかじめ実験責任者の許可を受け,その指示に従わなければならない。
(実験試料の取扱い)
第21条 実験責任者は,実験従事者に対し,実験の開始前及び実験中において常時,実験試料が,拡散防止措置の条件を満たすものであることを厳重に確認させなければならない。
(遺伝子組換え生物等の保管)
第22条 遺伝子組換え生物等を保管するに当たっては,次の各号に定める拡散防止措置を執らなければならない。
(1) 遺伝子組換え生物等が漏出,逃亡その他拡散しない容器に入れ,かつ,当該容器の見やすい箇所に,遺伝子組換え生物等である旨を表示すること。
(2) 容器は,所定の場所に保管すること。
(3) 容器の保管場所が,冷蔵庫等の設備である場合には,当該設備の見やすい箇所に,遺伝子組換え生物等を保管している旨を表示すること。
(遺伝子組換え生物等の運搬)
第23条 遺伝子組換え生物等を運搬するに当たっては,次の各号に定める拡散防止措置を執らなければならない。
(1) 遺伝子組換え生物等が漏出,逃亡その他拡散しない容器に入れること。
(2) 当該遺伝子組換え生物等の実験に当たって執るべき拡散防止措置がP1レベル,P2レベル,LSCレベル,LS1レベル,P1Aレベル,P2Aレベル,特定飼育区画,P1Pレベル,P2Pレベル及び特定網室以外のものである場合は,前号に規定する措置に加え,前号に規定する容器を,通常の運搬において事故等により当該容器が破損したとしても当該容器内の遺伝子組換え生物等が漏出,逃亡その他拡散しない構造の容器に入れること。
(3) 前2号に掲げる容器の最も外側の容器(容器を包装する場合にあっては,当該包装)の見やすい箇所に,取扱いに注意を要する旨を表示すること。
(調査及び点検)
第24条 部局長は,安全主任者及び実験責任者に対し,定期に及び必要に応じて随時に,実験に関し必要な事項について,調査及び点検を行うよう指示することができる。
(制限又は中止等)
第25条 部局長は,法令等若しくはこの規程に違反する実験又は違反するおそれのある実験が計画又は実施されていると認めたときは,学長に報告しなければならない。
2 学長は,前項に規定する報告を受けたときは,安全委員会の議に基づき,実験の制限又は中止その他の措置を講ずることができる。
第5章 輸入,輸出及び情報の提供
(輸入の届出)
第26条 実験責任者は,生産地の事情その他の事情からみて,その使用等により生物多様性影響が生ずるおそれがないとはいえない遺伝子組換え生物等をこれに該当すると知らないで輸入するおそれが高い場合その他これに類する場合であって法令等に定めるものを輸入しようとする場合は,別に定めるところにより,部局長を経由して学長に届け出なければならない。
2 学長は,前項の規定により届出のあった事項について,安全委員会の議を経て,文部科学大臣へ届け出るものとする。
(輸出に関する措置)
第27条 実験責任者は,遺伝子組換え生物等を輸出しようとするときは,法令等に定めるところにより,通告,表示等の措置を行わなければならない。
(情報の提供)
第28条 実験責任者は,遺伝子組換え生物等を譲渡し,若しくは提供し,又は委託して使用等をさせようとするときは,その譲渡若しくは提供を受ける者又は委託を受けてその使用をする者に対して,法令等に定めるところにより,情報を提供しなければならない。
第6章 記録及び保管
(記録)
第29条 実験責任者は,安全主任者と緊密な連絡の下に,法令等に定めるところにより,次の各号に掲げる事項を確実に記録し,保管しなければならない。
(1) 実験計画書及び実験の経過(実験計画の変更及び中止を含む。)に関すること。
(2) 遺伝子組換え生物等の譲渡,提供及び委託(以下「譲渡等」という。)の都度,法令等に定める情報提供に関する措置に関すること。
(3) 遺伝子組換え生物等の輸出に際して,法令等に定める輸出に関する措置に関すること。
(4) 災害又は事故等緊急事態(以下「緊急事態」という。)発生の際の経過及び措置等に関すること。
(5) 教育訓練に関すること。
(6) 健康診断に関すること。
(7) その他必要な事項に関すること。
第7章 教育訓練及び健康管理
(教育訓練)
第30条 安全主任者及び実験責任者は,実験の開始前に実験従事者に対し,法令等及びこの規程を熟知させるとともに,次の各号に掲げる教育訓練を行わなければならない。
(1) 危険度に応じた実験試料等の安全取扱いの知識及び技術に関すること。
(2) 安全確保及び拡散防止措置に係る知識及び技術に関すること。
(3) 実験しようとする実験の危険度に係る知識に関すること。
(4) 事故発生の場合の措置に係る知識(大量培養実験においては,遺伝子組換え生物等を含む培養液が漏出した場合における化学的処理による殺菌等の措置に対する配慮を含む。)に関すること。
(5) その他実験しようとする実験に関し必要な知識及び技術に関すること。
(健康管理)
第31条 学長は,実験従事者の健康管理について,次の各号に掲げる措置を講ずるものとする。
(1) 実験責任者に対し,実験従事者の健康管理のため,実験の開始前及び開始後1年を超えない期間ごとに,健康診断を実施させること。ただし,当該健康診断は本学における一般健康診断をもって代えることができる。
(2) 実験責任者に対し,実験従事者が病原微生物を取り扱う場合には,実験開始後6月を超えない期間ごとに,特殊健康診断を実施させること。
(3) 室内感染の疑いがある場合には,実験責任者に対し,直ちに実験従事者の健康診断を実施させること。
(4) 実験従事者が次の各号の一に該当するとき又は同様の報告を受けたときは,直ちに安全委員会に調査させるとともに,必要な措置を講ずること。
イ 遺伝子組換え生物等を誤って飲み込み又は吸い込んだとき。
ロ 遺伝子組換え生物等により皮膚が汚染されたとき。
ハ 遺伝子組換え生物等により施設等が著しく汚染された場合に,その場に居合わせたとき。
ニ 健康に変調を来したとき又は重症若しくは長期にわたる病気にかかったとき。
第32条 実験責任者は,実験従事者の健康管理について,実験試料に応じてあらかじめ予想される生物災害等への対応等に関し,次の各号に掲げる措置を講じなければならない。
(1) 実験従事者が病原微生物を取り扱う場合には,あらかじめ予想される感染症予防の基本的方策について検討し,必要に応じて抗生物質,ワクチン,血清等を準備すること。
(2) 拡散防止措置区分のレベルP3レベル以上の実験が行われる場合には,実験の開始前に実験従事者の血清を採取し,実験の完了後2年間保存すること。
2 実験責任者は,実験従事者が健康に変調を来した場合又は重症若しくは長期にわたる病気にかかった場合には,部局長を経由して学長に報告しなければならない。
第8章 緊急事態発生時の措置
(通報)
第33条 緊急事態が発生した場合又は発生するおそれのある場合は,発見者は,直ちに実験責任者及び安全主任者に通報しなければならない。
(安全主任者及び実験責任者の執るべき措置)
第34条 安全主任者及び実験責任者は,緊急事態が発生した場合には,生物災害の発生及び拡散を防止するため,立入禁止,使用禁止その他臨機の措置を執るとともに,直ちに,その所属する部局長及び学長に報告しなければならない。
第35条 実験責任者は,緊急事態により,障害の発生した者又は障害の発生のおそれのある者が生じた場合は,応急処置を執るとともに,安全主任者の指示に従い,医師の治療を受けさせなければならない。
第36条 実験責任者は,緊急事態が発生した場合には,その発生経過及び措置等に関する報告書を作成し,その所属する部局長を経由して,学長に提出しなければならない。
第9章 懲戒処分等
(懲戒処分等)
第37条 教職員,学生等が,故意又は研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことにより,法令等及びこの規程に違反したものと認められる場合,学長は,本学の定める規程等により,当該者に懲戒処分等を課すものとする。
第10章 雑則
(雑則)
第38条 この規程に定めるもののほか,この規程の実施に関し必要な細則は,安全委員会の議を経て,学長が定める。
附 則
1 この規程は,平成16年7月22日から施行し,平成16年4月1日から適用する。
2 この規程施行の際現に廃止前の信州大学組換えDNA実験安全管理規程(昭和55年3月26日信州大学規程第167号)により承認を受けて実験中の実験は,この規程の規定による承認を受けているものとみなす。
附 則(平成18年9月21日平成18年度規程第17号)
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この規程は,平成18年9月21日から施行する。
附 則(平成18年11月22日平成18年度規程第28号)
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この規程は,平成18年11月22日から施行する。
附 則(平成29年3月17日平成28年度規程第90号)
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この規程は,平成29年3月17日から施行する。
附 則(令和4年3月31日令和3年度規程第181号)
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この規程は,令和4年4月1日から施行する。
附 則(令和5年3月29日令和4年度規程第231号)
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この規程は,令和5年4月1日から施行する。
附 則(令和7年3月31日令和6年度規程第251号)
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この規程は,令和7年4月1日から施行する。