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トピックス詳細

保健学科理学療法学専攻 小宅一彰助教によるリハビリテーションでの動機づけに関する研究論文がPhysical Therapy誌に掲載されました

2023.04.10

 信州大学医学部の小宅一彰 助教と浜松医科大学の田中悟志 教授を中心としたグループによる研究成果が、理学療法分野で最も権威のある国際学術誌のひとつPhysical Therapy誌(IF3.679)に2023年4月5日付で掲載されました。

 リハビリテーションの臨床現場では、運動や練習に対する患者さんのやる気を高めるために、様々な方略による動機づけが行われています。しかし、患者さんの個別性に応じた動機づけ方略の選択を可能にする科学的なエビデンスは存在せず、実際の臨床現場において医療者は自身の臨床知を活用して患者さんのやる気を高める方略の使い分けを判断しています。そこで本研究では、脳卒中患者さん一人ひとりに対して使用する動機づけ方略を熟練理学療法士はどのように選択しているのかについてインタビュー調査を行いました。
 その結果、本研究の対象者は、患者さんの(1)心理状態、(2)身体機能、(3)認知機能、(4)性格、(5)日常生活活動や社会参加の状況、(6)年齢、(7)人的環境、(8)治療を受けているリハビリテーションサービスの種類に応じて、動機づけ方略を使い分けていることが明らかになりました(参考図)。また、信頼関係を構築するためのコミュニケーションや患者さん同士が会える機会の提供など、患者さんの個別性を問わずに提供されている方略の存在が明らかになりました。
 本研究の成果は、リハビリテーションで患者さんのやる気を高める方略を選択するうえで、有益な情報を提供すると考えられます。

掲載論文情報
著者名:Oyake K, Sue K, Sumiya M, Tanaka S.

論文名:Physical Therapists Use Different Motivational Strategies for Stroke Rehabilitation Tailored to an Individual's Condition: A Qualitative Study

掲載されたジャーナル:Physical Therapy. 2023. Online ahead of print.
doi: 10.1093/ptj/pzad034.

論文掲載URL:
https://academic.oup.com/ptj/advance-article/doi/10.1093/ptj/pzad034/7107869?searchresult=1

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参考図(クリックで拡大します)