信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 肥満小児において筋内脂肪はメタボリックシンドロームの危険因子となり得るか?

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.37 Vol.37

 要旨

 本研究では肥満小児における筋内脂肪がメタボリックシンドロームのリスクファクターとなり得るのかについて検討することを目的とした.被検者は国立病院機構三重病院が主催する健康教室に参加した小児37 名で,保護者と本人の実験への参加の承認が得られた者であった.コンピューター断層装置により大腿中央部および腹部臍位置における横断像を撮影した.大腿四頭筋,ハムストリング,内転筋群の筋内脂肪については,グレースケールをもとに算出した.同時に筋断面積と皮下脂肪断面積も算出した.腹部の横断画像から内臓脂肪断面積を算出した.空腹時の血液を採取して,トリグリセリド,血漿遊離脂肪酸,総コレステロール,HDLコレステロール,グルコース,HbA1c,尿酸を分析した.筋内脂肪を従属変数に本研究で測定したパラメータを独立変数としたステップワイズ重回帰分析を行った結果,ハムストリングおよび内転筋群においては体重当たりの内臓脂肪が選択された.これらの結果から,筋内脂肪は内臓脂肪と密接に関係する因子であり,メタボリックシンドロームの危険因子となり得ると判断した.

「デサントスポーツ科学」第37巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 秋間広*1, 冨樫健二*2, 貝沼圭吾*3
大学・機関名 *1 名古屋大学, *2 三重大学, *3 三国立重病院病機構院

キーワード

肥満小児筋内脂肪メタボリックシンドローム内臓脂肪