信州大学 繊維学部技術データベース

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PDF 電磁ゴニオメータによる肩甲骨から体幹の三次元動作解析: 健常者とパラカヌー選手の比較

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.37 Vol.37

 要旨

 スポーツの現場において動作解析は重要である.今回カヌー競技カヤック種目に必要な上肢挙上動作やパドリング時の上肢・体幹の運動を,電磁ゴニオメータを用いて測定し,健常カヌー選手とパラカヌー選手を比較した.上肢挙上動作では健常カヌー選手が,パドリング動作ではパラカヌー選手が肩甲骨を大きく動かす傾向があった.回旋動作を必要とするカヌー競技において,座位保持困難な体幹機能障害を有するパラカヌー選手は,体幹の回旋は困難で,回旋動作を肩甲骨や上腕骨によって代償していると考えられる.実際に体幹に関しては健常カヌー選手の方が大きく動いている事がわかった.したがって健常カヌー選手の様に体幹からの連動によって力を伝えにくいパラカヌー選手においては肩甲骨の柔軟性とコントロールが必要であり,効果的なトレーニング立案のためには健常カヌー選手とは異なった指導が必要である事が示唆された.

「デサントスポーツ科学」第37巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 木村浩彰, 坂光徹彦, 笹代純平, 平田和彦, 三上幸夫
大学・機関名 広島大学病院

キーワード

電磁ゴニオメータ三次元動作解析パラカヌーパドリング動作代償動作