長時間運動時におけるコンプレッションタイツの着用が筋疲労や筋損傷・炎症反応に及ぼす影響
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.37 Vol.37】
要旨
本研究では,長時間運動時における着圧の異なるコンプレッションタイツの着用が代謝・内分泌動態,筋損傷および炎症反応,下肢筋群の筋パワーに及ぼす影響を検討することを目的とした.健康な男性8名を対象に,運動時に①強圧(約40hPa)の着圧が施されたコンプレッションタイツ(強圧条件),②弱圧(約20hPa)の着圧が施されたコンプレッションタイツ(弱圧条件),③着圧を施さない(10hPa以下)タイツ(コントロール条件)のいずれかを着用する測定を,それぞれ異なる日に実施した.各条件での測定では,最大酸素摂取量の60%に相当する走速度でトレッドミル上での120分間のランニングを実施した.運動前から運動終了後1時間まで経時的に,筋機能,代謝・内分泌動態や筋損傷および炎症反応に関わる血液指標の変化を検討した.
その結果,運動直後における垂直跳び跳躍高は,弱圧条件が強圧条件に比較して有意に高値を示した(P<0.05).120分間の運動中における心拍数の平均値は弱圧条件が最も低値を示し,コントロール条件との間に有意差が認められた(P<0.05).また,120分間の運動に伴う血漿インターロイキン6(IL-6)濃度の上昇の程度は弱圧条件において最も小さく,コントロール条件に比較して有意に低値を示した(P<0.05).
以上の結果から,120分間のランニング時における弱圧(約20hPa)を施したコンプレッションタイツの着用は,強圧(約40hPa)を施した同様のタイツまたは着圧が施されていないタイツに比較して,下肢筋群の筋疲労の軽減や心拍数の上昇抑制,および炎症反応の抑制に有効であることが明らかとなった.
「デサントスポーツ科学」第37巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
本研究では,長時間運動時における着圧の異なるコンプレッションタイツの着用が代謝・内分泌動態,筋損傷および炎症反応,下肢筋群の筋パワーに及ぼす影響を検討することを目的とした.健康な男性8名を対象に,運動時に①強圧(約40hPa)の着圧が施されたコンプレッションタイツ(強圧条件),②弱圧(約20hPa)の着圧が施されたコンプレッションタイツ(弱圧条件),③着圧を施さない(10hPa以下)タイツ(コントロール条件)のいずれかを着用する測定を,それぞれ異なる日に実施した.各条件での測定では,最大酸素摂取量の60%に相当する走速度でトレッドミル上での120分間のランニングを実施した.運動前から運動終了後1時間まで経時的に,筋機能,代謝・内分泌動態や筋損傷および炎症反応に関わる血液指標の変化を検討した.
その結果,運動直後における垂直跳び跳躍高は,弱圧条件が強圧条件に比較して有意に高値を示した(P<0.05).120分間の運動中における心拍数の平均値は弱圧条件が最も低値を示し,コントロール条件との間に有意差が認められた(P<0.05).また,120分間の運動に伴う血漿インターロイキン6(IL-6)濃度の上昇の程度は弱圧条件において最も小さく,コントロール条件に比較して有意に低値を示した(P<0.05).
以上の結果から,120分間のランニング時における弱圧(約20hPa)を施したコンプレッションタイツの着用は,強圧(約40hPa)を施した同様のタイツまたは着圧が施されていないタイツに比較して,下肢筋群の筋疲労の軽減や心拍数の上昇抑制,および炎症反応の抑制に有効であることが明らかとなった.
「デサントスポーツ科学」第37巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 後藤一成*1, 水野沙洸*2, 森嶋琢真*3 |
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大学・機関名 | *1 立命館大学, *2 立命館大学大学院, *3 日特本別学研術振究興員会 |
キーワード