信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 着圧利用のアパレル開発−弾性靴下のユニバーサル仕様を視野に入れて−

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.37 Vol.37

 要旨

 本研究では,血栓予防靴下の欠点である強圧からくる皮膚血流阻害や圧ストレスを抑制するユニバーサル仕様の弾性靴下設計のための基礎的指針を得ることを目的とし,椅座位時および仰臥位時における脚各部の圧迫が血液循環系および自律神経系に及ぼす影響を検討した.その結果,椅座位では身体末梢を圧迫するほど皮膚血流量が有意に減少する傾向がみられた.心拍数では,椅座位・仰臥位ともに,下腿最大部圧迫で最も大きく減少し,深部静脈還流量の促進に効果的であることがわかった.また,交感神経の優位性の指標であるLF/HF においても下腿最大部で最も大きく減少し,この部分での圧迫は,比較的圧ストレスが低いことがわかった.すなわち,深部静脈還流量を促進し,かつ圧ストレスの少ない弾性靴下の圧設計において下腿最大部分の圧迫が最も有効であるが,同時に特に椅座位において皮膚血流阻害があることを考慮し,高圧迫は避けるべきであると結論付けられた.

「デサントスポーツ科学」第37巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 諸岡晴美,坂下理穂,村﨑夕緋
大学・機関名 京都女子大学

キーワード

ユニバーサル仕様圧迫靴下深部静脈血栓症血液循環系自律神経反応