信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF Macrophage Migration Inhibitory Factor による骨格筋の糖代謝調節

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.37 Vol.37

 要旨

 本研究では,Macrophage Migration Inhibitory Factor(MIF)は骨格筋から分泌される新たなマイオカインで,骨格筋自身に作用して,インスリンによって誘発される糖の取り込みを抑制することを明らかにした.MIFは分子量が約12kDaの低分子で,これまでは骨格筋に発現することは知られていなかったが,マウスの異なる種類の下肢骨格筋に発現することをウェスタンブロッティング法で確認した.つぎに,in vivoエレクトロポーレーション法で,マウス下肢骨格筋にタグを付したMIFを発現させたところ,血液中にそれが検出され,骨格筋から分泌されることが示された.MIFは単独では骨格筋の糖輸送に影響を与えなかったが,インスリン刺激で生じる糖輸送を抑制した.これらの結果は,MIFが骨格筋の糖代謝調節に関わるマイオカインの1つであることを示すとともに,糖尿病の予防・治療の新たな標的分子となる可能性を示唆する.

「デサントスポーツ科学」第37巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 藤井宣晴,眞鍋康子,古市泰郎
大学・機関名 首都大学東京

キーワード

マイオカイン糖輸送骨格筋MIF