信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 運動の腎臓機能に及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.1 Vol.1

 はじめに

 腎臓は体内で生成された終末代謝産物や有害物質の排池,体液浸透圧およびpHの調節など内部環境の恒常性維持機能を有し、身体運動に際しては運動機能の冗進には直接貢献する臓器ではない.また,レーン(Renin)―アンギオテンシン(Angiotensin)―アルドステロン(Aldosterone)系(RAA系)を介しての循環体液量や血圧調節など1)も知られている.
 運動時には腎血流量の減少2)や尿中に血漿由来のタンパクなどが観察される3)ことから,筋活動時には腎臓機能が一時的に障害されるものと思われる.また,血薬レーン活性(PRA)やアンギオテンシン(Ang.)等が著しく変動する4)ことから,運動時の体液量維持や血圧調節にもRAA系が関与していることは十分に推定される.
 本研究では,健常成人を対象にトレッドミルでいろいろの強度の運動(100〜40%VO₂max.)を負荷し,腎クリアランス試験5),尿中β₂ミクログロブリン排世量6)および血中RAA系の動態などを観察し,腎臓機能と運動強度との関連を調べ,腎臓への影響の少ない運動強度の把握を試みた.

「デサントスポーツ科学」第1巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 鈴木政登, 塩田正俊, 中島孝之
大学・機関名 東京慈恵会医科大学

キーワード

腎臓機能トレッドミル腎クリアランス試験ミクログロブリン排世量