信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF リュックサックの改良に関する研究(続)

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.2 Vol.2

 緒言

 リュックサックは戦前,ヨーロッパから伝えられたとのことであるが,戦後,キスリング型と呼ばれるリュックサックが日本で改良され大型化し,普及した.また,アメリカで発達したフレームつきのバックパックが最近,日本でも広く用いられるようになった.一方,ヨーロッパでは内部にフレームをもった,いわゆるインナーフレーム型のリュックサックが登山に広く用いられていて,これも日本にもたらされて流行している.
 一般に,キスリング型は山岳地帯の長期縦走用に,フレームパックは高原状の原野の徒歩旅行に,また,インナーフレーム型は岩山の登蕊用に適しているとされている.
 リュックサックは,このような野外活動を行うものにとっては,物品を運搬するための必要欠くべからざる装備である.この機能の良否は,負荷重量を左右するだけではなく,人体にも重大な影響を及ぼし,身体をこわしたり,安定性を失って転落事故を起こしたりした例も多い.
 しかし,リュックサックの選択,使用法については経験的な意見は多いが,科学的基礎に欠け,組織的,系統的な研究はほとんど行われていない.とくに最近は,野外活動装備のファッション化によって,機能的性能を無視したものが多く,混乱がみられる.
 本研究は,このような実状に照らして,この分野の科学的基礎を明らかにしようとしたものである.

「デサントスポーツ科学」第2巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 安田武*1, 平井一正*2, 塩満勝麿*1, 井尻登喜子*1
大学・機関名 *1 武庫川女子大学, *2 神戸大学

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