信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 高等学校における授業、部活動を通じていかに体力づくりを推進すべきか ―高校生を中心とする水泳の初心者指導について―

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.2 Vol.2

 はじめに

 昭和53年9月に兵庫県教育委員会が実施した「水泳に関する調査」から,高等学校3年終了時点で泳力不足の者がかなりあることを問題としてとりあげ,水泳における初心者指導について,木村(兵庫県立星陵高校)を中心としてまとめる.
 ①表1より,小学校5年生で5m以上泳げるようになった者が男子97.1%,女子96.1%となっているが,ここで取り残された男子2.9%,女子3.9%の者は,高校3年のシーズン終了時点でも男子1.6%,女子3.0%の者がそのままの状態にある.この中には,健康上の理由で水泳禁止の者も含まれるが,指導者も生徒も水に入って努力したにもかかわらず,その努力が報われていない.
 ②泳力5m~25mの中には,途中でやめた者や,ただがむしゃらに泳いだ者などがいるが,「泳げる」という状態になっていないと判断される生徒は,高校3年終了時点で男子4.3%,女子18.8%おり,5m末満の者と併せると男子5.9%,女子21.8%の者が泳力25m未満である.
 ③同様に50m末満になると,高校3年終了時点で男子14.4%,女子48.3%もおり,このような水泳能力では,水難事故に遭遇した場合,溺水する可能性が高い.

「デサントスポーツ科学」第2巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 松井貞雄*1, 木村伸*2, 豊田稔*3, 桑形宗光*4, 西関明敏*5, 塚田喜庸*6
大学・機関名 兵庫県高等学校体育研究会 *1 尼崎工業高等学校, *2 星陵高等学校, *3 西宮北高等学校, *4 東灘高等学校, *5 加古川西高等学校, *6 姫路西高等学校

キーワード

水泳