信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 着衣が環境適応能および戸外活動に及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.2 Vol.2

 幼児・児童の健康生活には多くの条件が満たされなければならないが,環境適応能(体温調節機能)の向上,作業能の増進やそれにつながると思われる運動生活の習慣化も重要な条件であると考えられる.
 従来の結果から,機能的に未分化である幼児・児童の体温調節機能を高める1方法として,皮悶を外界の温度変化によって直接刺激する手段が示唆された1,2).この方法を日常生活で容易に実行する手段として衣服が着目され,つまり着衣量を減少させることの必要性が推定された.
 しかし,最近の調査によれば,幼児・児童は一般に厚着の傾向を示し,しかも厚着の子どもは家庭生活での戸外遊び時間の短いことが認められた3).これら厚着や戸外遊び時間の短縮は,体温調節機能や作業能の低下につながりかねないことは容易に推定される.
 したがって,これらは,幼児・児童の現在および将来の健康生活を願えば,憂慮すべき問題の1つであることを指摘すると同時に,衣生活の改善,とくに着衣量の減少が必要であることを示唆していると考えられる.
 本研究では,体温調節機能や作業能に対する薄着生活の効果を把握するため,最近かなりみられるようになった“はだか幼稚園”児と一般幼稚園児との比較が行われた.また,一般幼稚園児の1年間にわたる薄着生活による効果が追跡された.

「デサントスポーツ科学」第2巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 佐々木美雄*1, 荒木勉*2, 三村寛一*1, 伊藤俊彦*3, 辻田純三*4
大学・機関名 *1 大阪教育大学, *2 神戸大学, *3 YMCA松尾幼稚園, *4 兵庫医科大学

キーワード

環境適応能体温調節機能はだか幼稚園