スポーツ時の衣服条件が体温調節に及ぼす影響に関する基礎的研究
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.3 Vol.3】
本研究では,衣服の型が運動時の体温調節に及ぼす影響を明らかにする際の基礎的資料を得るため,3名の被験者に水泳パンツのみ着用(Con-trol),長袖衣服により上半身のみ着用(条件Ⅰ),長ズボンにより下半身のみ着用(条件Ⅱ),および両衣服により上・下半身ともに着用(条件Ⅲ)の各種衣服条件下で,自転車エルゴメータによる負荷運動を中等度の強さで45分間行わせた。
1 )コントロール時に比べて,いずれの着衣条件下でも産熱量,総汗量,部位発汗量が増大し,また体温の上昇度も大であったが,いずれの項目においても,条件Ⅲの場合に最もその影響は顕著であった.
2 )総汗量は,いずれの被験者においても着衣条件Ⅰ Ⅱ Ⅲの順で大であった。
3 )部位発汗量から求めた四肢/軀幹の比率が比較的大なる被験者では,条件Ⅱの場合に比べて,条件Ⅰの場合に産熱量,体温上昇度は小さくなった.しかし,この比率が小なる被験者ではシ逆に条件Ⅱの場合に産熱量,体温上昇度が小さくなった.
4 )運動時の体温調節に及ぼす衣服の影響は,四肢/躯幹の比率のような発汗部位差にみられる個人的特性と密接な関係を有すると考えられる.
「デサントスポーツ科学」第3巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
1 )コントロール時に比べて,いずれの着衣条件下でも産熱量,総汗量,部位発汗量が増大し,また体温の上昇度も大であったが,いずれの項目においても,条件Ⅲの場合に最もその影響は顕著であった.
2 )総汗量は,いずれの被験者においても着衣条件Ⅰ Ⅱ Ⅲの順で大であった。
3 )部位発汗量から求めた四肢/軀幹の比率が比較的大なる被験者では,条件Ⅱの場合に比べて,条件Ⅰの場合に産熱量,体温上昇度は小さくなった.しかし,この比率が小なる被験者ではシ逆に条件Ⅱの場合に産熱量,体温上昇度が小さくなった.
4 )運動時の体温調節に及ぼす衣服の影響は,四肢/躯幹の比率のような発汗部位差にみられる個人的特性と密接な関係を有すると考えられる.
「デサントスポーツ科学」第3巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 松下健二*1,荒木勉*1,稲垣和子*1 |
---|---|
大学・機関名 | *1 大阪府立大学,*2 神戸大学 |
キーワード