信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 砂糖の摂取タイミングと運動による血中リポタンパクトリグリセリド濃度の調節機構に関する研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.3 Vol.3

 ラットを非運動群と運動群に分け,1日2食制下に,基本食と35%砂糖食を交互に与えて,7週間飼育した.実験Ⅰでは夕食時に砂糖食を,また実験Ⅱでは朝食時に砂糖食を給餌した.
 その結果,いずれの実験においても,血しょうTG濃度は,ほぼ24時間にわたり,非運動群よりも運動群で顕著に低かった.
 その理由は,末梢組織のLPL作用による血中TGの分解・取り込み速度の差よりも,むしろ肝臓と小腸から血中へのVLDL-TG放出速度が,運動群で抑制されているためであることが明らかにされた.
 以上のことから,砂糖の血中TG濃度を上昇させる作用を抑えるのに,運動が有効であることが確認された.さらに,砂糖と血中TG濃度の関係において,激しい運動をするスポーツ選手の場合,一般人よりも砂糖に対する許容度が大きいことが考えられる.
(本研究の一部は,第12回国際栄養学会(サンディエゴ)で発表された4).)

「デサントスポーツ科学」第3巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 鈴木正成
大学・機関名 筑波大学

キーワード

血中トリグリセリド(TG)濃度リプロティンリパーゼ(LPL)活性基本食砂糖食