信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 接地足蹠ならびに足弓窿の発育変化に関する追跡的研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.4 Vol.4

 まとめ

 ヒトの土ふまずの形成過程を,接地足蹠と骨構造の関係からとらえるために,幼児・児童78名(2歳〜10歳)ならびに成人5名について,ピドスコープおよびX線撮影を行ない,これらの写真から,接地足蹠と足弓窿の関係を検討した.
 1)接地足蹠面積,土ふまず面積,土ふまず比は,いずれも加齢にともなって増加し,土ふまず比からみると,7歳でほぼ成人の示す平均値に近づいた.
 また,足弓窿の形成を中足骨と腫骨.距骨の接点でなす角度からみると,加齢による有意な差は認められなかった.
 2)1年間の追跡からみると,足蹠面積,土ふまず面積は増加したが,土ふまず比からみると,必ずしも増加する傾向はみられなかった.また,足弓窿の形成の指標とした距骨・遁骨に関する角度も増加の傾向がみられなかった.これは1)の結果と合わせて骨構造の面からみると,足弓窿に必要な基本的骨構造が,かなり早い時期にほぼ形成されているものと考えられる.
 3)運動負荷における土ふまず比の変化については,運動後に有意に減少する傾向がみられ,足弓窿の形成の指標とした角度も減少する傾向が認められた.
 4)接地足蹠からみて,いわゆる罵平足とみられる者の中でも,骨構造の面からは,成人並の足弓窿が形成されている場合もあり,今後平面的にとらえるだけでなく,運動学ならびに教育学的な立場からも,骨構造とのかかわりでとらえていく必要があることが明らかとなった.

「デサントスポーツ科学」第28巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 山田耕司*1, 根本芳男*1, 吉澤正尹*2, 三村寛一*3, 飯田順一*4
大学・機関名 *1 大阪教育大学, *2 福井大学, *3 大阪教育大学, *4 大阪市教育委員会

キーワード

土ふまず骨構造接地足蹠幼児・児童