栄養学的にみた体力向上の意義および脱体質的体力指標の設定に関する研究 ―acidosisに対する体の反応と栄養―
【大分類：7. デサントスポーツ科学 小分類：7.4 Vol.4】
要旨
体力に関連する基準の一つとして，acidosisに対する体の適応反応を選んだ．1.5%NH₄Cl溶液をdrinking waterとして与え，acidosisをおこさせた．
4〜5週齢雄のWistarラットに15%カゼイン飼料，5%カゼイン飼料，無タンパク質飼料，ビタミン欠乏飼料，無機質欠乏飼料,エネルギー不足飼料を与えると同時にNH₄Clを与えて9日間飼育し，尿NH₄⁺排池量，腎glutaminase, phosphoenolpyruvate carboxykinase(PEPCK)活性，を測定した．
また，11〜13週齢ラットに15%カゼイン飼料を与えてしらべる実験も行った．
15%カゼイン飼料を与えた場合に比較して，タンパク質不足あるいは欠乏，ビタミン欠乏，無機質欠乏では腎glutaminase活性に対する尿NH₄⁺排液量の比が低下したが，エネルギー不足の場合には15%カゼイン飼料を与えた場合と変わらなかった．また，11〜13週齢ラットの場合にも腎glutaminase活性に対する尿NH₄⁺排池量の比が低下した．
以上の結果から，acidosisに対する体の適応反応はビタミン，無機質，あるいはタンパク質の欠乏，さらに加齢により低下するが，エネルギー不足によっては影響も受けないことが明らかとなった．
「デサントスポーツ科学」第20巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
体力に関連する基準の一つとして，acidosisに対する体の適応反応を選んだ．1.5%NH₄Cl溶液をdrinking waterとして与え，acidosisをおこさせた．
4〜5週齢雄のWistarラットに15%カゼイン飼料，5%カゼイン飼料，無タンパク質飼料，ビタミン欠乏飼料，無機質欠乏飼料,エネルギー不足飼料を与えると同時にNH₄Clを与えて9日間飼育し，尿NH₄⁺排池量，腎glutaminase, phosphoenolpyruvate carboxykinase(PEPCK)活性，を測定した．
また，11〜13週齢ラットに15%カゼイン飼料を与えてしらべる実験も行った．
15%カゼイン飼料を与えた場合に比較して，タンパク質不足あるいは欠乏，ビタミン欠乏，無機質欠乏では腎glutaminase活性に対する尿NH₄⁺排液量の比が低下したが，エネルギー不足の場合には15%カゼイン飼料を与えた場合と変わらなかった．また，11〜13週齢ラットの場合にも腎glutaminase活性に対する尿NH₄⁺排池量の比が低下した．
以上の結果から，acidosisに対する体の適応反応はビタミン，無機質，あるいはタンパク質の欠乏，さらに加齢により低下するが，エネルギー不足によっては影響も受けないことが明らかとなった．
「デサントスポーツ科学」第20巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
| 研究者名 | 芦田淳, 山下京子 |
|---|---|
| 大学・機関名 | 椙山女学園大学 |
キーワード