信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 早朝ジョギングと高蛋白朝食が身体諸機能に与える影響について

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.4 Vol.4

 要旨

 早朝ジョギングと高蛋白朝食の継続が午前中(10時半)の身体諸機能にどのような影響を与えるかについて実験を行なった.
 被検者は健康な一般男子大学生5名(19〜24歳)であった.この実験に3名が13週間,1名が7週間,残りの1名が4週間参加した.ジョギングを行なった週当りの平均回数は,3〜4.5回であった.ジョギング直後の体温(舌下温)は37℃前後まで上昇し,その時の心拍数は120〜130拍/分であった配
 本実験により,次のような結果が得られた.
 1)早朝ジョギングと高蛋白朝食の継続に伴って,7週目で,大脳活動計による集中力の測定値は23.3%(p<0.01),フリッカーによる測定値は4.4%(p<0.05)の統計的に有意な向上が見られた.
 13週目まで行なった3名の平均値でも,それぞれ25.5%(p<0.01)と15.2%(p<0.05)の統計的に有意な向上が見られた.
 2)背筋力は7週目まで徐々に向上した(9.4%)が,統計的に有意ではなかった.13週目まで行なった3名の平均値では22.0%(p<0.05)の統計的に有意な向上が見られた.脚筋力も徐々に向上する傾向が見られた(7週目:8.4%,3名の13週目:16.1%)が,統計的には有意ではなかった.
 3)自転車エルゴメータによる最大無酸素パワーは,あまり効果が見られなかった.最大スピードは4名に効果が見られた(7週目:5.1%,3名の13週目:10.2%)が,統計的に有意ではなかった.
 4)シャトル・ランは4名に効果が見られた(7週目:0.6%,3名の13週目:2.0%)が,その向上はわずかであった.座位ステッピングには全く効果が見られなかった.以上の結果から,早朝ジョギングと高蛋白朝食の継続は,午前中の中枢神経機能の集中力を高め,脚・腰の筋力を強化するのに効果があることが明らかになった.

「デサントスポーツ科学」第12巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 生田香明*1, 中塘二三生*2, 栗原崇志*1
大学・機関名 *1 大阪大学, *2 大阪府立看護短期大学

キーワード

早朝ジョギング高蛋白朝食身体諸機能中枢神経機能