信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 運動に伴う骨格筋のエネルギーおよびアミノ酸代謝回転に寄与する分枝鎖アミノ酸の役割について

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.5 Vol.5

 要旨

 筋作業時のエネルギー生成に関するアミノ酸の寄与について追求した.
 自転車エルゴメータにより軽運動(50%VO₂max)および激運動(75%VO₂max)を負荷し,運動開始時にトレーサーとして投与した1-¹³C-グリシンまたは1-¹³C-ロイシンの酸化的分解に関して,呼気中¹³CO₂の累積回収率を赤外線分光¹³CO₂アナライザーを用いて測定し,次の結果を得た.
 (1)3名の成人男子(K.G.22歳,長距離ランナー,J.I.27歳,非鍛練者,H.F.57歳,非鍛練者)について,¹³C-グリシンおよび¹³C-ロイシンの酸化は一般に運動負荷で高進し,運動開始後150分の呼気中¹³CO₂累積回収率(%)は,K.G.,J.I.,H.F.の順にそれぞれ軽運動時,¹³C-グリシンについては53,48,41,¹³C-ロイシンについては55,84,77で,激運動でこれらの値はH.F.のロイシンを除き,約弛に低下する.
 (2)5名の筑波大学男子ハンドボール運動部員(18〜20歳)について,¹³C-ロイシンの累積回収率は,軽および激運動負荷でともにほぼ直線的に増加し,終了時は増加がとまり,運動開始後150分で平均47.7,27.2%の回収率となる.
 運動開始時および開始後30分にそれぞれブドウ糖1.59/kg体重を経口投与し,運動を行った場合では,非糖摂取時と同様の経時的変化を示すが,軽運動および激運動で,運動開始後約150分で平均24.6,13.6%と非糖摂取時の約弛に抑制される.しかし,個体差が大きく,各実験群間で有意の差とはならなかった.

「デサントスポーツ科学」第5巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 福島秀夫, 飯島潤一, 合田浩二, 山田哲雄
大学・機関名 筑波大学

キーワード

筋作業エネルギー生成アミノ酸