信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 発育過程における筋力増加に関する研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.5 Vol.5

 緒言

 筋収縮の基本過程は,筋線維内のミオシンフィラメントとアクチンフィラメントがカルシウムイオン(Ca²⁺)存在下にATP分解を伴った滑りの力を発生することである.この機構は,ミオシンフィラメントとアクチンフィラメントの間にクロスブリッジと呼ばれるミオシン分子の一部が形成され,これが力学的変化をすることによると考えられている.2つのフィラメントの重なり合いの量やフィラメント間の距離は,クロスブリッジの発生力を決定する因子になろう.
 生後発育に.伴い筋力は増大する.この筋力の決定因子としては,運動神経線維の放電パターンなどの神経由来のもの1)と,骨格筋自体の形態などに由来するものに大別できる.この筋由来の因子としては,筋節長などの長軸方向の形態や,筋断面積などの幅方向のそれが考えられる.また,筋組成による収縮時間,張力などの機能的因子も重要であろう.本報告では,筋力の決定因子のうち,長軸方向のものとして筋節長を,また,幅方向のそれとしてフィラメント間距離に着目し,これらが発育期における筋力増加の因子になりうるかどうかを検討した.

「デサントスポーツ科学」第5巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 馬詰良樹*1, 小野寺昇*1, 春日規克*2
大学・機関名 *1 東京慈恵会医科大学, *2 愛知教育大学

キーワード

生後発育長趾伸筋(EDL)ヒラメ筋(SOL)筋線維長