信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 高齢者の健康に関するスポーツ医・科学的研究 1.高齢者の運動に関する実態調査

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.5 Vol.5

 要旨

 東京都世田谷区の高齢者を対象とした白さぎ会(以下S−会と称する.文化的学習サークル)と健康体操クラブ(T−会と称する)の会員を対象として,アンケート調査により,自覚的健康状態,・健康維持の方法,運動実施状況などについて調べた.さらに,運動実施者については,運動を始めた理由,運動の種目とその選択理由,運動の頻度,効果,運動による傷害などについて調査した.
 調査の結果,T−会会員はS−会会員に比し,自覚的に気力・体力が充実している者が多い.健康維持の方法としては,T−会員は男女とも運動をする,酒・タバコをひかえる,薬にたよらないなど積極的な態度がみられる.
 積極的に運動を行なっている者は,S−会員の男性20%,女性33%,T−会員では男性92.7%,女性100%であった.運動を始めた理由としては,男女とも健康によい,運動が好きがもっとも多く,行なっている運動種目は,男女とも体操が圧倒的に多く,ついで男性ではランニング・ゴルフ,女性では球技・散歩〆ダンスなどであった.種目選択の理由としては,設備が不要,施設が近くにあったというハードに関するものが多い.
 運動の頻度は週1〜2回がもっとも多く,運動の結果人生が楽しくなった,健康になったとしている.しかし,T−会員の23%につき指・骨折・打撲その他の運動による傷害があったことは注意を要する.

「デサントスポーツ科学」第5巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 黒田善雄, 山田茂
大学・機関名 東京大学

キーワード

高齢者健康状態運動実施