信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 暑熱,輻射熱存在下における網シャツ着用の生理的意義

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.6 Vol.6

 要旨

 網シャツ着用が暑熱(34℃),輻射熱(300Wの電気ストーブ)存在下でのヒトの体温調節反応にどのような影響を与えるのかを観察した.年令21〜24才の3人の女性が被験者として採用された.直腸温,皮屑温,衣服気候(温度,湿度)が30分間の安静,20分間の運動期間中連続測定された.主要な知見は1)綿長袖シャツの背部表面温度は,網シャツ着用時に無着用時にくらべ常に高かった.2)背部皮層温と衣服内湿度は網シャツ着用時に無着用時にくらべ小さかった.3)正の貯熱量は網シャツ着用時に無着用時にくらべ少なかった.これらの知見から網シャツ着用は外界から人体への熱の進入を妨げるという点で生理的意味を有することを本論文で論じる.このような耐暑法は炎天下のラクダのそれに類似している.

「デサントスポーツ科学」第6巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 登倉尋実*1, 佐伯愛美*1, 緑川知子*2
大学・機関名 *1 奈良女子大学, *2 光華女子短期大学

キーワード

網シャツ体温調節反応背部表面温度