信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 走り幅とびにおける技能の主観的な伸びと客観的なPerformanceとの関係 ―小・中学生を対象として―

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.6 Vol.6

 要約

 小学6年生と中学1年生を対象に,最大努力による走り幅とびの主観的な技能の伸びの自覚と,客観的なperformanceとの関係が重回帰分析法によって,年齢差の観点から明らかにされた.同時に,約2か月間の練習によって主観と客観との対応がどのように変化するかについても検討が加えられた.
 得られた結果の大要は以下に示される.
 1)最大努力による跳躍時の主観と客観との対応関係は,小学生ではほとんど認められなかった.しかし,中学生では「力強い踏み切り」の主観項目に有意(p<1%)な重相関関係が得られた.これらの結果は,客観項目の因子分析によって得られた小・中学生それぞれの走り幅とびの技術構造と合致するように考えられた.
 2)練習後の重相関係数は,練習前のそれに比していずれの主観項目も顕著に高くなる傾向が認められた.とくに,歩数の増加に伴う助走速度の向上に関する主観は確かになることが認められた。
 3)上記1),2)の結果から,主観的な技能の伸びの自覚と客観的なperformanceとの関係は,技能の程度に規定されることが裏付けられた.

「デサントスポーツ科学」第6巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 梅野圭史*1, 久保田晴久*1, 藤田定彦*2, 後藤幸弘*3, 辻野昭*3, 楠本正輝*4
大学・機関名 *1 兵庫教育大学附属小学校, *2 兵庫教育大学附属中学校, *3 兵庫教育大学, *4 大阪市教育委員会

キーワード

運動技術認識実践走り幅とび主観項目