信州大学 繊維学部技術データベース

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PDF 境界域および軽症高血圧症に対する運動療法の効果

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.6 Vol.6

 要旨

 境界域ないし軽症の本態性高血圧症者19名(男性13名,女性6名,年齢49.1±6.9歳)を対象として3ヶ月間の運動療法のための教室を開き,血圧値に及ぼす影響につき検討した.この間の食塩摂取量や飲酒量などを含む日常生活は特に変わっていない.
 運動療法完了時には安静時の収縮期および拡張期血圧はそれぞれ11mmHg(p<0.01),8mmHg(p<0.01)下降した.トレッドミル運動負荷試験における運動耐容時間も1.7分延長した(p<0.001).また,最大下負荷段階での収縮期および拡張期血圧も有意の降下を示した,安静時の心拍数は不変であったが最大下負荷時の心拍数は運動療法参加前に比し低値となった.最大負荷時の血圧と心拍数は参加の前後で差はなかった.
 これらの成績より高血圧症者に定期的な運動を課すことにより安静時および最大下負荷時における収縮期ないし拡張期血圧を下降させうることが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第6巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 神奈木俊子*1, 冨岡宣良*1, 神原啓文*1, 河合忠一*1, 小西憲子*2, 山田良久*2, 川初浩典*1, 伊藤稔*1, 浜崎博*3, 青戸公一*3, 岸本裕行*1, 綾井弘文*1
大学・機関名 *1 京都大学, *2 京都循環器病予防会, *3 京都薬科大学

キーワード

本態性高血圧症運動療法