信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 長距離走選手の嫌気性代謝閾値推定式の作成

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.6 Vol.6

 要旨

 骨格筋における運動中の好気性代謝の上限を示す血中乳酸の上昇開始点と定義される嫌気性代謝閾値(anaerobic threshold:AT)は,種々の呼吸器系疾患や心臓疾患を伴なう患者の安全な運動量閾値として,さらには,一般人や持久性競技選手の適切な生理学的持久性指標としてその重要性が指摘されている.しかし,本来のATの測定は観血的方法であり,種々の危険性や非実用性が伴なう.
 そこで本研究では,ATと関連の深いかつ測定が比較的容易で,信頼性も高い最大酸素摂取量(VO₂max)や1,500-m走パフォーマンスなどを説明変数とするATの推定式の作成を試みた.3種のATの推定式を作成したが,推定の精度や実用性を考慮して,VO₂@AT=0.386X₁-0.128X₂+57.11(X₁=体重当りのVO₂max,X₂=1,500-m走パフォーマンス)なる式の利用が有効であることを示唆した.

「デサントスポーツ科学」第6巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 田中喜代次*1, 中川敬*1, 羽間鋭雄*1, 松浦義行*2, 浅野勝己*2, 井関敏之*3
大学・機関名 *1 大阪市立大学, *2 筑波大学, *3 大阪体育大学

キーワード

嫌気性代謝閾値持久性競技最大酸素摂取量推定式