少年野球選手の発育発達,体力および血液性状
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.6 Vol.6】
要旨
A.都市近郊A市在住の地域少年野球クラブに所属している4〜6年生の児童11名および野球は行っていない対照児童10名を対象に安静時の血圧,血液・尿検査および負荷漸増法による最大運動負荷試験を行い次のような結果を得た、
① 安静時の血圧,血液・尿検査に異常を示す者はみられなかった.
② 野球選手群のVO₂maxは48.7±6.3ml/kg/min,対照群50.9±3.4ml/kg/minで両群間に差はなかった.
B.実験Aに参加した野球選手11名の3日間の合宿練習期間の生体負担を調べ,次のような結果を得た.
① 3日間をとおして,練習前の体重変化はなかった.
② 練習前の背筋力には経日的変化がなかったが,握力は減少した.
C.少年野球選手142名を対象に地域少年野球クラブに入会した動機,練習量,その他生活態度の変化などをアンケート調査し,次のような結果を得た.
① 少年野球チームに入った動機は,“野球が好きだから”という本人の希望による場合が全体の半数(48.6%)を占めた.
② 練習量は週1回,6時間ぐらいが最も多かった(81.0%).野球以外に学校のスポーツクラブに所属している者が71.8%で,その練習量は週1〜6回,約1時間という者が全体の62.7%であった.
以上の結果から,地域少年野球クラブに所属しているか,いないかで即運動群,非運動群とは区別できず,対照として選んだ児童の多くも学校のスポーツクラブに所属しているものと思われ,VO₂maxやmaxHRには野球群と対照群で差がなかった.しかし,地域の野球クラブに所属して練習生活をすることは他の運動クラブではみられない日常生活の規則性や柔順性が養われるようである.
「デサントスポーツ科学」第6巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
A.都市近郊A市在住の地域少年野球クラブに所属している4〜6年生の児童11名および野球は行っていない対照児童10名を対象に安静時の血圧,血液・尿検査および負荷漸増法による最大運動負荷試験を行い次のような結果を得た、
① 安静時の血圧,血液・尿検査に異常を示す者はみられなかった.
② 野球選手群のVO₂maxは48.7±6.3ml/kg/min,対照群50.9±3.4ml/kg/minで両群間に差はなかった.
B.実験Aに参加した野球選手11名の3日間の合宿練習期間の生体負担を調べ,次のような結果を得た.
① 3日間をとおして,練習前の体重変化はなかった.
② 練習前の背筋力には経日的変化がなかったが,握力は減少した.
C.少年野球選手142名を対象に地域少年野球クラブに入会した動機,練習量,その他生活態度の変化などをアンケート調査し,次のような結果を得た.
① 少年野球チームに入った動機は,“野球が好きだから”という本人の希望による場合が全体の半数(48.6%)を占めた.
② 練習量は週1回,6時間ぐらいが最も多かった(81.0%).野球以外に学校のスポーツクラブに所属している者が71.8%で,その練習量は週1〜6回,約1時間という者が全体の62.7%であった.
以上の結果から,地域少年野球クラブに所属しているか,いないかで即運動群,非運動群とは区別できず,対照として選んだ児童の多くも学校のスポーツクラブに所属しているものと思われ,VO₂maxやmaxHRには野球群と対照群で差がなかった.しかし,地域の野球クラブに所属して練習生活をすることは他の運動クラブではみられない日常生活の規則性や柔順性が養われるようである.
「デサントスポーツ科学」第6巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 松原茂*1, 樽哲也*2, 磯野国男*3, 加藤守男*3, 中村久*4, 岩本圭史*1, 鈴木政登*5, 塩田正俊*5, 飯島好子*5, 井川幸雄*5 |
---|---|
大学・機関名 | *1 日本大学, *2 千葉県教育庁, *3 我孫子市少年野球連盟, *4 我孫子市少年硬式野球クラブ, *5 東京慈恵会医科・大学 |
キーワード