信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 運動負荷が女子運動選手の性機能におよぼす影響について

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.6 Vol.6

 要旨

 女子選手の月経異常,いわゆる“exercise as‐sociated amenorrhea”のメカニズムを明らかにするために,女子運動選手の月経状態をアンケートにて調査し,さらにその基礎体温(BBT)の分析を行った.また,一部選手の血中LH,FSH,Estradiol(E2),Progesterone(P4),Prolactin(PRL),Testosteroneを測定し,検討した.
 その結果,初経前からの激しい運動負荷は初経の発来を遅延させ,さらに女子運動選手には無月経,排卵障害が高率に存在することが明らかになった.また,その血中ホルモン値は,無月経,無排卵群ではLH,FSHは正常,E2は低値を示し,さらに高PRL血症や高Testosterone血症を示す例は認められなかった.一方排卵群では排卵後のP4は低値の傾向を示し,黄体機能不全を示した.
 以上の結果より,今回対象とした女子運動選手の排卵障害例では,運動負荷にもとづくと思われる間脳の機能障害が推定され,また,排卵しても黄体機能不全の合併例が少なくないことが明らかとなった.

「デサントスポーツ科学」第6巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 蜂屋祥一, 楠原浩二, 小田原靖, 松本和紀, 横山敬
大学・機関名 東京慈恵会医科大学

キーワード

月経異常運動負荷