信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF スポーツウェアなど被服材料の吸脱湿,透はっ水機構に関する研究 ―セルロース系繊維の等温収脱着曲線について―

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.6 Vol.6

 要旨

 種々のセルロース系天然および人造繊維の水分収脱着挙動を,10〜50℃の種々の温度で観測し,その水分収脱着機構を等温収脱曲線の解祈より考察し,従来の解析結果の問題点を指摘した.
 等温収着曲線の温度依存性より,収着過程が可逆過程と仮定し,熱力学的に誘導される吸湿過剰エネルギー(T⊿S)の関係湿度依存性から水分収着機構を考察した.
 特定温度(30℃)における等温収着曲線をB.E.T.の多層吸着モデルによって解析し,モデル常数vm,Cを各試料について決定し,層数n=1(Langmuir吸着)とnmax≧n>1(多層吸着)を分離し,多くのセルロース系試料についてnmaxがほぼ6であることを示した.
 さらに最近の微小熱量測定の結果と対比し,自由水と凍結結合水との限界がn⋍8,凍結結合水と不凍結結合水との限界がn⋍nmax+1であることを示した.

「デサントスポーツ科学」第6巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 河合弘廸, 高岡昭, 木幡和徳, 宮川真利子
大学・機関名 兵庫教育大学

キーワード

セルロース系繊維水分収脱着挙動等温収着曲線多層吸着モデル