信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 骨量減少防止に果たす運動の役割についての研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.7 Vol.7

 要旨

 長期の安静臥床は尿中カルシウム排池増加に伴い骨粗鬆症をもたらす可能性が指摘されている.そこで本研究では高齢者を対象に身体活動度と骨量との関連を明らかにするため橈骨骨塩含量(RMC)並びに第2中足骨での骨密度を測定し,以下の成績を得た.
 (1)RMCについては70歳代の男性(p<0.05),80歳代では男女とも各々bedside群の方が,Outdoor群に比し有意に,低値を示した(男:p<0.001,女:p<0.01).
 (2)第2中足骨の骨密度については男性ではbedside群,Outdoor群間に有意の差はみられなかった.一方女性ではGSmax,GSmin図GS/Dの3つの指標はおのおのOutdoor群に比しbedside群で有意の低値を示した(おのおのp<0.05).
 (3)血清Ca. P. アルカリフォスファターゼは両群間で差はみられなかったが尿中Ca排池(Ca/creatinine)はOutdoor群に比しbedside群で有意の増加をみた(p<0.01).
 以上,高齢者では身体活動度の低下により,尿中Ca排池増加を伴う骨減少が認められ,骨減少防止に果す運動の重要性が示唆された.

「デサントスポーツ科学」第7巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 藤井暁*1, 大橋誠*1, 田中史朗*1, 岡田邦夫*2
大学・機関名 *1 大阪市立大学, *2 大阪ガス健康開発センター

キーワード

尿中カルシウム排池骨粗鬆症高齢者橈骨骨塩含量(RMC)骨密度身体活動度