信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 元マラソン選手の再トレーニングに関する追跡的研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.7 Vol.7

 要旨

 かつて一流マラソン選手として活躍した46歳の男性1名を対象に,走トレーニングが呼吸・循環機能に及ぼす効果について,トレッドミル・オールアウト走による追跡測定を実施し,次の結果を得た.
 (1)同年代一般男性に比べ,かなりすぐれた呼吸・循環機能を示した。
 (2)走トレーニングにより,最大酸素摂取量,酸素摂取率,オールアウト時間,酸素脈が対応して増高したが,最大換気量,最高呼吸数,1回換気量,最高心拍数等の呼吸・循環系機能の増高はみられず,トレーニング効果の現われ方に一般中高年と違いが観察された.
 (3)トレーニング効果の現われる速さ及び脱トレーニングによる効果の消失の速さに一般人との差はみられなかった.
 (4)トレーニングによりAfrは88.0%VO₂maxから96.3%VO₂maxに増え,9.5%の伸び率を示した。
 (5)最大酸素摂取量増大の要因は,主に酸素摂取率の向上にあり,筋における酸化能力の向上などの関与が考えられた.

「デサントスポーツ科学」第7巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 金子敬二*1, 塚越克己*1, 雨宮輝也*1, 伊藤静夫*1, 築地美孝*2
大学・機関名 *1 財団法人 日本体育協会, *2 株式会社東急電鉄

キーワード

マラソン選手走トレーニング呼吸・循環機能