スポーツシューズが運動時の血液凝固線溶活性におよぼす影響について
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.8 Vol.8】
要旨
運動時の身体に加わる機械的刺激が血液凝固線溶系におよぼす作用を調べ,運動装具がどのように影響するかを検討した.
① モデル実験として,ヒトの手掌に機械的振動を負荷したところ,一般的な凝固機能の指標には変化がなかったが,線溶活'性の上昇をみた.
これは,振動刺激を受けた血管内皮細胞から放出される組織プラスミノーゲン・アクチベーターによるものであることがわかった.
② 運動負荷として,裸足で反復横とびを実施し,足底への機械的刺激の影響を調べた結果①の成績にみられた血管内皮細胞由来の組織プラスミノーゲン・アクチベーターと新たに血液凝固第Ⅷ[因子関連抗原の増加をみた.
一方,これに対し実施した,スポーツシューズを着用して同じ負荷を実施した場合には,大きな変化はおこらなかった.このことからスポーツ用具の材質や形状が,運動による機械的刺激の生体への作用に大きく影響すると考えられる.よってこれらの実験成績は,スポーツ用具の開発および改良を行う際の指標として考慮する必要'性のあることを示唆している.
「デサントスポーツ科学」第8巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
運動時の身体に加わる機械的刺激が血液凝固線溶系におよぼす作用を調べ,運動装具がどのように影響するかを検討した.
① モデル実験として,ヒトの手掌に機械的振動を負荷したところ,一般的な凝固機能の指標には変化がなかったが,線溶活'性の上昇をみた.
これは,振動刺激を受けた血管内皮細胞から放出される組織プラスミノーゲン・アクチベーターによるものであることがわかった.
② 運動負荷として,裸足で反復横とびを実施し,足底への機械的刺激の影響を調べた結果①の成績にみられた血管内皮細胞由来の組織プラスミノーゲン・アクチベーターと新たに血液凝固第Ⅷ[因子関連抗原の増加をみた.
一方,これに対し実施した,スポーツシューズを着用して同じ負荷を実施した場合には,大きな変化はおこらなかった.このことからスポーツ用具の材質や形状が,運動による機械的刺激の生体への作用に大きく影響すると考えられる.よってこれらの実験成績は,スポーツ用具の開発および改良を行う際の指標として考慮する必要'性のあることを示唆している.
「デサントスポーツ科学」第8巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 平井富弘, 東照正, 三木一郎 |
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大学・機関名 | 大阪大学医療技術短期大学部 |
キーワード