信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 健康保持のため女性の必須活動量に関する研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.8 Vol.8

 結語

 健康保持のための必須活動量を見出すために成人女子20.5±1.5歳が55名,33.3±2.5歳が11名の合計66名を対象にして健康度,日常生活の活動量および有酸素的作業能の測定を行った.その結果は,以下のとおりである.
 1.健康度評価のために問診を得点化したPositivescaleとNegative scaleから成る二次元健康尺度を考案し,健康度を9つの評価に区分した.得点の分布より健康度の評価のための妥当性を認めた.
 2.二次元健康尺度のNegativescaleとPWC75%HRmaxおよび体重当りVO₂maxとの間に有意な相関が認められた.また,Cc群の有酸素的作業能は,他の群に比べて有意に低く,Cc群は,健康度の下限以下であると考えられた.
 3.二次元健康尺度と身体活動量の関連性は認められなかったが,Aa群が他の群に比べて高い傾向が認められた.
 4.PWC75%HRmaxのCc群の値と体重当りVO₂maxの下限である28ml/kg/minを境界におくと,日常生活の1日の体重当り総エネルギー消費量は,約36kcal/kg/dayとなり,20〜30歳代でこの値以上が必須活動量であると結論された.

「デサントスポーツ科学」第8巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 小原達朗
大学・機関名 長崎大学

キーワード

健康保持必須活動量日常生活二次元健康尺度