信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 寒冷下運動時における身体抹消部位保温の効果

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.8 Vol.8

 要旨

 気温15℃の各件下で女子学生8名を被検者として,70Wの自転車エルゴメータ運動を30分間行わせた.衣服は,半袖シャツと短パンだけ(対照群)と,さらに手袋とハイソックスを着用した場合(着用群)の2条件とし,寒冷下運動時に末梢部を保温することによる心理的・生理的効果を検討した.
 1)直腸温は着用群の方が低い傾向にあった.
 2)前腕部と大腿部の皮腐温は着用群が高く,手袋とハイソックスの着用は,直接被覆している手部・足部以外の四肢部にも影響を与えた。
 3)末梢部の皮虐温上昇は,局所の温感の上昇をもたらしたものの,全身温冷感や快適感の改善には必ずしもつながらないようである.
 4)手袋とハイソックスの着用は,寒冷下運動時の血圧と心拍数にほとんど影響を与えない。
 5)代謝量と呼吸数は,運動後半および回復期にはほとんど着用の影響がないが,運動初期には着用群の方が少ない.これは身体末梢部位の保温が寒さによる筋の緊張を和らげた結果と思われる.

「デサントスポーツ科学」第8巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 栃原裕*1, 吉田敬一*2, 市川真知子*3, 長谷川典美*3
大学・機関名 *1 国立公衆衛生院, *2 実践女子大学, *3 杉野女子大学

キーワード

運動心理的効果生理的効果全身温冷感身体末梢部位