スポーツウェア等の繊維材料に関する放湿特性の熱分析法による解析

　要旨

　羊毛，木綿，亜麻およびラミーを供試して，それらの湿潤状態からの放湿挙動を，体温近傍の40℃で，熱重量測定装置ならびに示差熱分析装置を用いて測定し，その挙動を乾燥挙動と結び付けて解析した．熱重量測定では，窒素気流下と空気中での乾燥挙動が顕著に相違しており，繊維試料表面付近の湿度の相違が著しく反映することが推定された．木綿と麻は，窒素気流下の乾燥速度一対数含水率曲線において2段階の減率乾燥挙動を示し，転移含水率Wtが観測された．羊毛の乾燥挙動は，木綿や麻のそれらと顕著に相違しており，羊毛の有する特異性の寄与が示唆された．木綿と麻は，示差熱分析曲線において相違が観測され，形態学的構造の差異が反映していることが示された．

「デサントスポーツ科学」第8巻/公益財団法人石本記念デサントスポーツ科学振興財団

研究者名	堤直人, 清造剛, 松本喜代一
大学・機関名	京都工芸繊維大学

キーワード

羊毛、木綿、亜麻、ラミー、放湿挙動

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