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PDF スポーツ適性という立場からの骨格筋に関する基礎的研究 4.ラット骨格筋単一筋線維の組織化学的筋線維タイプの分類

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.8 Vol.8

 要旨

 本研究では,従来の単一筋線維分類法を改良することを目的とした.
 まず5mMのEGTAを含む弛緩液中で,ラットの外側広筋およびヒラメ筋より単一筋線維を分離した.分離した単一筋線維を凍結後,クリオスタット中で連続横断切片を作成した.単一筋線維の連続横断切片の作成は,最も重要な改良点の一つで,次のような利点を持つ.すなわち第一の利点は,比較的短い単一筋線維に多くの染色法を施すことができることである.また切片の厚さが同一であるので,染色度の違いがそのまま酵素活性の違いを表わすという利点もある.単一筋線維にmyofibrillar ATPase染色およびコハク酸脱水素酵素染色を施した.なおmyofibrillar ATPase染色に先だち,アルカリ,酸,あるいは銅イオンを含む溶液中でプレインキュベーションを行った.またラット足底筋の新鮮凍結切片を対照に選び,単一筋線維と同一条件下で染色をした.
 単一筋線維の染色パターンは,酸性プレインキュベーション後のmyofibrillar ATPase染色を除き,対照である足底筋線維の染色パターンと同様であった.従って各染色の組織化学的プロフィールから,単一筋線維をTypeⅡA,TypeⅡB,あるいはTypeⅠのいずれかに分類することができた.
 その後の実験で,単一筋線維におけるTypeⅡ線維の酸に対する安定性の変化が弛緩液の影響によることを示唆する結果を得た.

「デサントスポーツ科学」第8巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 的場秀樹
大学・機関名 山口大学

キーワード

単一筋線維分類横断切片コハク酸脱水素酵素