信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF エアロビックトレーニングが身体機能および形態に及ぼす効果の定量的解析

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.9 Vol.9

 要旨

 市中のエアロビックダンス教室で行うエアロビックトレーニングの効果を明らかにするため,あるエアロビックダンス教室の3カ月間(週2回,1回70分)トレーニングコースへ5名の女性被験者に通ってもらい,トレーニングコースの開始前と修了後に形態計測,運動機能や心肺機能の測定および精神・心理的要因を含む自覚症調査を行った.その結果,
 (1)皮脂厚の若干の減少を除き,形態面での変化はほとんど認められなかった.
 (2)運動機能面ではトレーニングの目的・内容に相応して,敏捷性,柔軟性,平衡性および持久性の向上が見られた.
 (3)呼吸・代謝機能においては肺換気能力の改善や最大酸素摂取量の増加が認められた.
 (4)質問調査の結果で,情緒不安定性や抑欝性が改善されるなどの傾向を示し,精神・心理面での効果が期待できた.
 今回,標準的な体格の被験者が市中のエアロビックダンス教室でトレーニングを受けた場合,心身に如何なる効果が期待できるかを分析したもので,形態面での効果はあまり期待できないが,トレーニングの本来の目標である心肺機能の向上は達成されることが判った.また,運動機能や心理効果についても一部の項目で効果が期待できると推測された.

「デサントスポーツ科学」第9巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 平柳要, 谷島一嘉, 伊藤雅夫, 前田隆
大学・機関名 日本大学

キーワード

エアロビックダンス運動機能呼吸・代謝機能