信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 簡易型ヒートウェザリングシステムによる衣服材料の断熱特性の研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.9 Vol.9

 要旨

 実験室レベルで,加熱,冷却および温度制御が自由にできるマイコンベースのヒートウェザリングシステムをつくり,繊維製品の熱特性を測定した.試料を通過する熱移動を試料と熱源との接触状態,試料の伸長,雰囲気の湿度や対流との関係で議論した.得られた結果は次のようにまとめられる.
 1) 繊維集合体のような連続媒質でも通常のフーリエ則が成り立つ.これは熱源の温度を一定にし,冷却部の温度を変化させたときの熱量が温度差に正比例することから確かめた.
 2) 繊維集合体のような連続媒質では試料を通過する熱移動が圧力に比例して増加する.圧力がかからないで測定できるようにした方法で熱特性値を決めた.
 3) 対流による影響が熱量移動にどのようにあらわれるか,熱量と温度差の関係から議論した.
 4) 定常状態では観測されないわずかな熱移動の変化が,冷却源の温度変化の過渡特性からとらえることを示した.実験はニット試料の伸長変化による熱移動を測定した.

「デサントスポーツ科学」第9巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 秋山隆一, 木下瑞穂
大学・機関名 京都工芸繊維大学

キーワード

ヒートウェザリングシステム繊維製品熱特性熱移動