運動持久力の積極的向上を目的とした複合栄養素強化飲料の効果の研究
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.9 Vol.9】
要旨
持続運動に対する筋持久力をより効率的に,苦痛をできるだけ少なく雄得する方法を開発する一モデルとして次の実験を行った.骨格筋のタンパク代謝を同化方向に向けると考えられる化合物としてアルギニンおよびロイシンを,脂質代謝を促進すると考えられるカルニチンとともにラットに投与し,トレッドミルによる走行訓練を5週間行い,投与訓練群(TD),非投与訓練群(T)および対照群(C)の後肢全骨格筋のホモジネートを材料として,遠心分画操作により分離したミトコンドリア分画の諸性質を比較した.
骨格筋湿重量当りのミトコンドリアタンパク量はTとTDいずれもCより有意に増加していたが,T,TD間に差はなかった.チトクロニム酸化酵素などの4種のミトコンドリア標識酵素の比活性には,明らかな差はなかった.電子伝達系チトクローム含量は T,TDで増加傾向を認めたが,T,TD間に差はない.種々の呼吸基質を用いた酸素消費の最大能力の比較ではT,TDで増加傾向が認められたが,T,TD間に差は認められない.よって走行訓練によりミトコンドリアの好気代謝系が著明に促進されることは認められたが,その度合がアルギニンなどの投与によりさらに増加することは認められなかった.今後種々化合物の影響や実験条件などがさらに検討されるべき分野と思われる.
「デサントスポーツ科学」第9巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
持続運動に対する筋持久力をより効率的に,苦痛をできるだけ少なく雄得する方法を開発する一モデルとして次の実験を行った.骨格筋のタンパク代謝を同化方向に向けると考えられる化合物としてアルギニンおよびロイシンを,脂質代謝を促進すると考えられるカルニチンとともにラットに投与し,トレッドミルによる走行訓練を5週間行い,投与訓練群(TD),非投与訓練群(T)および対照群(C)の後肢全骨格筋のホモジネートを材料として,遠心分画操作により分離したミトコンドリア分画の諸性質を比較した.
骨格筋湿重量当りのミトコンドリアタンパク量はTとTDいずれもCより有意に増加していたが,T,TD間に差はなかった.チトクロニム酸化酵素などの4種のミトコンドリア標識酵素の比活性には,明らかな差はなかった.電子伝達系チトクローム含量は T,TDで増加傾向を認めたが,T,TD間に差はない.種々の呼吸基質を用いた酸素消費の最大能力の比較ではT,TDで増加傾向が認められたが,T,TD間に差は認められない.よって走行訓練によりミトコンドリアの好気代謝系が著明に促進されることは認められたが,その度合がアルギニンなどの投与によりさらに増加することは認められなかった.今後種々化合物の影響や実験条件などがさらに検討されるべき分野と思われる.
「デサントスポーツ科学」第9巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 若林保良, 山田悦子 |
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大学・機関名 | 京都府立医科大学 |
キーワード