スポーツ用被服材料の着用性能に関する基礎的研究―ポリエステル繊維の吸湿挙動の特異性について―

　要旨

　ポリエステル繊維およびナイロン6繊維の吸湿性を，水分収着熱，収着水の近赤外分光，および等温水分収着曲線の二，三の物理モデルによる解析によって特性化し，ポリエステル繊維が，ナイロン6などの親水性繊維の単一モードの水分収着性に反し，二重モードの収着性を示すこと，これが試料の化学的および物理的修飾によって変化しうることを示した．
　乾燥ポリエステル繊維のぬれ熱は，ナイロン6あるいはビスコースレーヨンなどの親水性繊維のぬれ熱がつねに発熱であるのに反し，水浸漬の初期に吸熱，つづいて発熱過程に移行する二重'性をもち，吸熱過程の発生機構の解明が新しい被服材料の開発に重要であることを論じた．

「デサントスポーツ科学」第9巻/公益財団法人石本記念デサントスポーツ科学振興財団

研究者名	河合弘廸, 高岡昭, 岩崎雅美, 福田光完
大学・機関名	兵庫教育大学

キーワード

ポリエステル繊維、ナイロン6繊維、吸湿性、親水性

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