信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF インピーダンス法による本邦成人の体組成評価の妥当性に関する研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.11 Vol.11

 体組成の評価は,肥痩の判定のみならず,健康の指標および身体活動(トレーニング)の効果を判定する重要な情報として利用されている.身体組成は,水中体重秤量法による密度法12,22,31),水分法9,11,14,26),カリウム法2)など種々の方法により評価されている.しかしながらこれらの多くは,高価な装置を必要とし,かっ測定のために複雑な手順を必要とすることから,実用性や経済性に欠ける面がある.それゆえ実際には,測定部位の選択4,24),測定の妥当性18,27),客観性19)や再現性3,30)など幾つかの問題がありながらも,キャリパーを用いた皮下脂肪厚による密度法(以下,皮脂厚法)から推定する簡便な方法が採用されている.
 一方,最近では身体に微弱な電気(800μA)を流すことによる抵抗(以下,インピーダンス)から体組成を推定するbioelectrical impedance analysis(以下,インピーダンス法)が開発されている7,12,13, 15,22,23,24,25).同法は,年齢・性に関係なく,しかも非健康者にも容易に適用できる利点を有している7,23).さらに同法は,短時間にかっ測定のために特別な技術を必要としない簡便性をも兼ね備えている.しかしながら同法用に開発された方程式は,米国人を対象としたものであり,体型の異なる日本人の体組成評価にどの程度の精度で適用できるものであるか不明である.
 本研究は,日本の成人男女を対象として,インピーダンス法による体組成と水中体重秤量法による体組成との比較から,前者の妥当性を検討することにした.さらに皮脂厚法による体組成評価法としての妥当性についても併せて比較検討することにした.

「デサントスポーツ科学」第11巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 中塘二三生*1, 田中喜代次*2, 羽間鋭雄*3, 金絃秀*3, 前田如矢*3
大学・機関名 *1 大阪府立看護短期大学, *2 筑波大学, *3 大阪市立大学

キーワード

体組成水中体重秤量皮下脂肪厚bioelectrical impedance analysis(以下,インピーダンス法)