女性中長距離競技者におけるスランプの状態と血液性状および血中乳酸の消却速度との関係
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.11 Vol.11】
女性中長距離競技者におけるスランプの状態を主として血液性状の面から明らかにすることを目的として本研究を行った.
6名の女性中長距離競技者(19-20歳)を被検者とし,スランプと好調時の両方の状態における差異を,ヘモグロビン濃度,血清GOT,GPT,CPK,血中乳酸の消却速度および最大下の一定スピードでの走行における酸素消費量の差異の面から検討した.その結果,以下に示す知見を得た.
1)最大下の一定スピードの走行における酸素消費量は,スランプの状態には好調時よりも高い.
2)好不調と,血中ヘモグロビン濃度との間には有意な相関関係が認められた(r=0.63).すなわち,不調時には運動性貧血になっている場合が多い.
3)血清GOT,GPTは,常に正常値範囲内にあり,低値を示した.
4)血清CPKの値は,すべての被検者において,常に正常値の範囲を越えていた.しかしながら,好不調との間には有意な相関関係は認められなかった.
5)血中乳酸の消却速度は好調時にはスランプ状態よりも高い値を示す傾向にあったが,その関係は統計的に有意なものではなかった.
「デサントスポーツ科学」第11巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
6名の女性中長距離競技者(19-20歳)を被検者とし,スランプと好調時の両方の状態における差異を,ヘモグロビン濃度,血清GOT,GPT,CPK,血中乳酸の消却速度および最大下の一定スピードでの走行における酸素消費量の差異の面から検討した.その結果,以下に示す知見を得た.
1)最大下の一定スピードの走行における酸素消費量は,スランプの状態には好調時よりも高い.
2)好不調と,血中ヘモグロビン濃度との間には有意な相関関係が認められた(r=0.63).すなわち,不調時には運動性貧血になっている場合が多い.
3)血清GOT,GPTは,常に正常値範囲内にあり,低値を示した.
4)血清CPKの値は,すべての被検者において,常に正常値の範囲を越えていた.しかしながら,好不調との間には有意な相関関係は認められなかった.
5)血中乳酸の消却速度は好調時にはスランプ状態よりも高い値を示す傾向にあったが,その関係は統計的に有意なものではなかった.
「デサントスポーツ科学」第11巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 金尾洋治*1, 山口桂子*1, 村地俊二*1, 筒井清次郎*2 |
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大学・機関名 | *1 愛知県立看護短期大学, *2 愛知教育大学 |
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