信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 骨粗鬆症予防のための運動と栄養

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.11 Vol.11

 高齢化社会に備え,高齢者,特に女性において最も多い疾患と考えられる骨粗鬆症に対する予防法を検討した.骨粗鬆症は骨密度の減少によるもので,加齢とともにその発症頻度は高くなる.われわれは若年時からの高い骨密度維持が重要であると考え,わが国では未調査であった若年者の骨密度の現状を把握し,高骨密度を得るためのライフスタイル(運動,栄養等)を検討した.その結果,19〜24歳の女性のうち,骨密度がその平均値の85%に満たない者が16%おり,この骨密度値は50〜60歳代の女性の平均値に相当するものである.骨密度の低い者において,①運動嫌い②運動歴が少ない③カルシウム摂取量が少ない④子供の頃に牛乳を飲んでいない⑤乳児期に人工栄養で育っている等の者が多かった.
 これらのことから,成長期の運動,栄養状態が成人期の骨密度に影響を及ぼす可能性が示唆された.また,低骨密度者に,運動と栄養の改善の指導を試みたところ,骨密度の増加が観察され,骨粗1症の予防における若年時からの運動,栄養の重要性が示唆された.

「デサントスポーツ科学」第11巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 広田孝子*1, 真砂江美*1, 松下正子*1, 山田喜八*1, 広田憲二*2
大学・機関名 *1 辻学園, *2 大阪大学

キーワード

高齢化骨粗鬆症加齢高骨密度ライフスタイル