信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 運動療法としての原口式体操の導入とその代謝内分泌的効果

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.11 Vol.11

 われわれは長期運動療法の一環として,肥満症,糖尿病を対象として原口式体操およびリズム体操を組み合わせた運動療法を行ってきた,今回,この体操プログラムについて代謝内分泌環境を中心に急性運動効果を検討した.健常者8名を対象に40分間,平均総運動消費エネルギー154.3kcalの体操プログラムの負荷前,終了直後,終了後安静30分後において,血糖値,遊離脂肪酸,ケトン体,血中インスリン,血中グルカゴン,血中カテコラミンを測定した.対照運動プログラムは同一対象同一運動消費エネルギーのトレッドミルによる歩行運動とした.
 体操負荷ではトレッドミルによる歩行運動に比して血中インスリン低下,遊離脂肪酸増加,ケトン体増加はより軽度であり,血中カテコラミンの反応も低値を示した.これらの結果より,原口式体操はトレッドミル歩行運動に比して,交感神経系の関与による代謝内分泌反応が異なると推察され,従来の運動療法の適応外と思われる種々の合併症を有する高齢者や糖尿病患者においても有用な運動療法となりえるのではないかと考えられた.

「デサントスポーツ科学」第11巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 西沢良記*1, 絵本正憲*1, 深水真知子*2
大学・機関名 *1 大阪市立大学, *2 舞子台病院

キーワード

肥満症糖尿病原口式体操運動療法歩行運動