信州大学 繊維学部技術データベース

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PDF スポーツ中の突然死および事故死の予防対策

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.11 Vol.11

 スポーツ中に発生した突然死および事故死の剖検例167例を対象に,性別,年齢別分布,スポーツの種目,死因などについて統計学的に分析した.
 突然死群(37.1%)では学童期の男子が多く,80%以上が心臓性突然死であった.特徴的なのは病因の明らかでない急性心機能不全の診断が半数以上を占めていたことであった.スポーツの種目別ではランニング,水泳が多かった.若年者の心臓性突然死では先天性冠動脈異常(起始異常,走行異常,myocardial bridge,低形成),特発性心筋症,間質性心筋炎,刺激伝導系の異常,冠動脈の血管浮腫などに注意する必要がある.心臓性突然死を臨床的に予防する可能性と限界について検討を加えた.事故死群(62.9%)では学童期の水泳中の溺死が多いが,実際には内因性因子が関与している可能性を指摘した.

「デサントスポーツ科学」第11巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 高津光洋, 重田聡男, 村田須美枝, 国吉昇
大学・機関名 東京慈恵会医科大学

キーワード

突然死心臓性突然死ランニング水泳特発性心筋症