信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 水泳の安全に対する基礎的研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.11 Vol.11

 水泳を安全に実施するための基礎的資料を得る目的で,質問紙による実態調査を行い,また,顔面浸水の心臓血管系へ及ぼす影響,さまざまな条件で泳いだ時の心電図と血中成分へ及ぼす影響,および急激な水温の変化の心電図と血圧へ及ぼす影響を中学生から高齢者までを対象に実験的に調べた.
 その結果,質問紙からは,対象の15%は溺れた経験があり,溺水の危険をともなう行動をとったことがある人がかなり存在することが明らかとなった.また,実験研究からは,顔面浸水時の心拍数の低下の程度と不整脈の発現者数の水温別の比較から,顔面浸水試験として15℃の水温と呼息位の呼吸位が妥当であると思われた.また,血中成分の変動との因果関係は証明できなかったが,各種水中運動中に多くの不整脈の発現が観察され,それが顔面浸水時の不整脈の発現とよく対応していることが確認された.
 また,無酸素的な全力の水中運動と陸上での無酸素的全力運動後の水中運動の危険性が示唆された.さらに,浸水時の水温の急激な変化が,心臓血管系に大きな負担をもたらすことも認められた.

「デサントスポーツ科学」第11巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 岡野亮介,碓井外幸,佐々木弘志,勝木建一,勝木道夫
大学・機関名 財団法人 北陸体力科学研究所

キーワード

水泳顔面浸水心臓血管系水温の変化溺水