信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF ウォーミングアップがパフォーマンスと有酸素および無酸素性エネルギー代謝に及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.12 Vol.12

 本研究は,ウォーミングアップが6分間自転車運動中のパフォーマンスとエネルギー代謝に及ぼす影響を検討することを目的とした.被験者は4名の健康な成人男子であり,彼らのうち2名は実'験を2回繰り返した.主運動は5分間最大下運動とそれに続く1分間最大運動から構成した.10分間ウォーミングアップの強度は無酸素性作業閾値強度に相当するものとした.
 主運動の全力運動中の仕事率は,ウォーミングアップ実験で14.8%(P<0.05)高かった.主運動中の総仕事量もウォーミングアップ実験でコントロール実験に比べて有意に(4.3%)高かった.これらの結果は,このようなウォーミングアップはこのタイプの運動のパフォーマンスに有効であることを示す.
 主運動前半の酸素摂取量はウォーミングアップ実験で有意に高かった.ウォーミングアップ実験の総酸素消費量はコントロール実験よりも4.3%高かった.主運動前後の血中乳酸濃度の差(⊿LaⅢ)はコントロール実験に比べて,ウォーミングアップ実験で有意に低かった.以上の結果はウォーミングアップ中に生産された乳酸の一部が主運動中にエネルギー源として利用される可能性を示唆する.

「デサントスポーツ科学」第12巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 後藤真二*1, 池上晴夫*2
大学・機関名 *1 共愛学園女子短期大学, *2 筑波大学

キーワード

ウォーミングアップ自転車運動エネルギー代謝無酸素性作業閾値