心臓活動指数による子供の発育に伴う身体活動に対する欲求の変化に関する研究

　生後10ヵ月から11歳までの27名の子供(男子13名，女子14名)を対象に携帯用心拍メモリー装置を利用して一日の心拍数の変動を一分ごとに記録し，得られた数値を睡眠時の平均心拍数をもとに得点化(心臓活動指数，HAI)を行った．また，おのおのの子供の父母に対するアンケート調査により当日の活発度と平日の活発度を求め，相対的な活動量としてそれらの積という形で観察的活動量という尺度を設定した．
　発育に伴う活動状態や生理学的変化を明らかにするため年齢とHAIや総心拍数・覚醒時平均心拍数・睡眠時平均心拍数・覚醒時平均心拍数と睡眠時平均心拍数との差(心拍差)・観察的活動量などのパラメータ間の関係を詳細に検討した．その結果HAIは年齢や性による生理学的な影響を取り除いた個人個人の活動状態を相対的に表現しており，低年齢の子供でも十分に利用できることがわかった．またそれは発育期における活動に対する欲求や量の個人差は1歳というかなり早期から出現している可能性を示唆した．

「デサントスポーツ科学」第12巻/公益財団法人石本記念デサントスポーツ科学振興財団

研究者名	北浦孝, 沼哲夫
大学・機関名	金沢大学

キーワード

子供、心臓活動指数(HAI)、活動状態

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