信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 身体活動時の快適性とスポーツウェア

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.12 Vol.12

 スポーツウェアを着用して,身体活動を行なった時の快適性と体温調節反応の関係を探るためにY被覆面積の異なるスポーツウェア(被覆面積94%:EB,被覆面積57%:ES)を着用した成人女子6名を被験者とし,環境温20℃,湿度25%または60%のいずれかの条件で,5分間の自転車エルゴメータ運動を3回,5分間の休息をはさみ間欠的に行なった.運動中,不快感は増加したが,それは温冷感および湿潤感の上昇に依存した.これらは平均体温の上昇にともなって生じるが,皮膚血管および汗腺への非温熱性因子の影響により著しく修飾されることが判明した.着用したスポーツウェアの被覆面積の違いにより,四肢部の皮膚温,平均皮膚温,平均体温および衣内湿度はESよりEBで高い値を示し,温冷感,湿潤感,不快感はEBの方がESより有意に高くなった.
 以上の結果,スポーツウェア着用時の快適性には,非温熱性因子としての運動と被覆面積の割合に関して,四肢部と体幹部の温熱生理的特性の差異が重要な因子であることが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第12巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 平田耕造, 増田茅子, 湯谷操
大学・機関名 神戸女子大学

キーワード

スポーツウェア身体活動快適性体温調節反応温熱生理的特性