信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 運動機能上の着心地評価のための被服圧測定方法および快適被服圧の検討

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.15 Vol.15

 被服の着心地を左右する要因に,微小空間の温度,湿度,気流と被服から受ける圧迫感および皮膚との接触感があり,これらはそれぞれ被服気候,被服圧,肌触りによって評価することができる.とくに被服圧は,運動機能性に大きく影響を及ぼすことから,スポーツ衣料の着心地評価において重要である.被服圧測定方法については,圧力センサやゴム球を,直接被服下に挿入して測定する直接方法がある.従来のこれらの方法は,人体の骨や筋肉の硬さの違いおよび曲面の形状,さらに,被服材料の伸長性等によっても測定値が大きく変化するため,定量的測定には適しないことが報告されている1).
 被服庄の定量性の高い測定方法として,直接法である流体圧法と電気抵抗法の利点を取入れ考えられたエアーバック方式がある.一軸拘束伸長変形下における有用性については,伊藤2)によってある程度確認した.
 そこで本研究では,一軸拘束伸長変形下での結果をふまえて,二軸伸長変形下においてもエアーバック方式の有用性を検討するために,各条件下での実測値と理論計算値を求める.そして,これらの実測値と理論計算値を統計処理し,被服圧の測定値に影響を及ぼす伸長変形様式,受圧体の硬さや曲率半径,エアーバックの空気量および布の伸長特性等の諸因子をパラメータとして,より理論計算値に近い重回帰式を求め,被服圧測定におけるエアーバック方式の使用性を高めるための検討を行う.さらに,本方式により拘束性のあるスポーツェアについての快適被服圧レベルについても検討する.

「デサントスポーツ科学」第15巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 伊藤紀子, 中川平三郎, 堤伸子
大学・機関名 鳥取大学

キーワード

着心地スポーツ衣料被服圧エアーバック方式拘束用スポーツウェア