水中歩行は運動処方に有効か?
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.15 Vol.15】
水中歩行が,運動処方の有効な手段になり得るか否かを明らかにするため,健康な女子大学生7名に対して,水深1.3mおよび0.9mの屋外プール(水温27.0±0.5℃)において,実際の移動を伴う水中歩行を行わせ,運動時の呼気ガス測定,心拍数測定,表面筋電図測定を実施した.その結果,浅水速歩行(46.0±2.1m/min)において,十分な酸素摂取量(72.9±7.9%Vo₂max)と心拍数(151.4±12.1拍/min)が得られ,水中歩行が有効な運動方法になることが明らかになった.
さらに,0.4〜2.4m/secの速度による漸増トレッドミル歩行を,各被験者に対して実施し,陸上歩行時の酸素摂取量と心拍数との関係式を求め,この式に水中歩行時の心拍数を代入して求めた推定酸素摂取量と,水中歩行時の酸素摂取量の実測値を比較した結果,各条件において有意(P<0.01)に水中歩行時の酸素摂取量が高く,陸上歩行で得られた心拍数を基準として,水中歩行運動を処方した場合,その運動強度がオーバワークになる危険性があることが示唆された.また,水中歩行時の筋電図測定の結果,とくに速歩行時において,前脛骨筋,腓腹筋および大腿直筋の活動量が大幅に増加し,水中歩行が脚筋の機能低下防止に対して効果を持つ可能性が示唆された.
「デサントスポーツ科学」第15巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
さらに,0.4〜2.4m/secの速度による漸増トレッドミル歩行を,各被験者に対して実施し,陸上歩行時の酸素摂取量と心拍数との関係式を求め,この式に水中歩行時の心拍数を代入して求めた推定酸素摂取量と,水中歩行時の酸素摂取量の実測値を比較した結果,各条件において有意(P<0.01)に水中歩行時の酸素摂取量が高く,陸上歩行で得られた心拍数を基準として,水中歩行運動を処方した場合,その運動強度がオーバワークになる危険性があることが示唆された.また,水中歩行時の筋電図測定の結果,とくに速歩行時において,前脛骨筋,腓腹筋および大腿直筋の活動量が大幅に増加し,水中歩行が脚筋の機能低下防止に対して効果を持つ可能性が示唆された.
「デサントスポーツ科学」第15巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 髙石鉄雄*1, 石田浩司*2, 小野隆*3 |
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大学・機関名 | *1 名古屋市立大学, *2 名古屋大学, *3 愛知教育大学 |
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