信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 仰臥位運動による肝門脈血流量の動態

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.15 Vol.15

 本研究は健康な男子(n=5)を被検者とし,超音波ドップラー計を用いて運動強度の違いによる肝門脈血流量の変化をとらえ,さらに肝門脈血流量に及ぼす仰臥位姿勢運動の有効性について検討した.肝門脈血流量は,安静時と比較して座位運動,仰臥位運動ともに60%Vo₂max(P<0.05),80%Vo₂max(P<0.01)強度で有意な低下を示した.安静時門脈血流量を100とした場合の%flow volumeと%Vo₂maxとの間に高い負の相関関係が見られた.運動負荷終了後15分経過した後でも,80%Vo₂max強度の座位運動の場含安静時レベルに達する十分な回復が見られなかった(P<0.05).しかしながら,同強度仰臥位運動後では回復が観察された(P≧0.05).以上の結果より運動時の肝門脈血流量は,超音波ドップラー計を用いた測定結果から,運動強度に依存して低下することが認められた.さらに仰臥位姿勢は,とくに高強度運動終了後の肝門脈血流量の回復に有効であることが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第15巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 矢野博己*1, 矢野里佐*2, 宮地元彦*1
大学・機関名 *1 川崎医療福祉大学, *2 東京学芸大学

キーワード

運動強度肝門脈血流量仰臥位姿勢座位