信州大学 繊維学部技術データベース

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PDF 下肢関節症に対する水中運動の及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.15 Vol.15

 膝内障男性5例(平均19.4歳)の左右大腿直筋・大腿二頭筋に対し,陸上運動時と水泳時の動作筋電図観察を行った.陸上では,患側は健側に比し小さい筋放電量を示したが,クロールと背泳時においては,患側では健側とほぼ同じ比率の力強い筋放電が観察された.
 変形性股・膝関節症女性14例(平均49.3歳)に対し,平均6.8ヵ月間(週2回)の水中運動療法と講習会を実施し,身体・体力測定と日整会判定を合わせて施行した.水中運動は,股関節症群では外転筋群・大殿筋・大腿四頭筋,膝関節症群では大腿四頭筋・膝屈筋群の筋力強化と軟部組織伸張を目途として実施され,肥満度,呼吸循環機能,膝筋力,体幹・下肢柔軟性の有意な改善が継時的に観察された.日整会判定では,両群ともに疹痛と歩行能力の改善を主とした有意な総点向上が認められ,受講者の満足度も良好であった.水中運動療法は,関節負荷軽減下に等張性抵抗運動を行い得る利点を有し,下肢変形性関節症に対し有効である点が示唆された.

「デサントスポーツ科学」第15巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 赤嶺卓哉*1, 田口信教*1, 荻田太*1, 酒匂崇*2
大学・機関名 *1 鹿屋体育大学, *2 鹿児島大学

キーワード

膝内障水泳筋電図水中運動変形関節症